Amazon Prime Video(アマプラ)で見放題配信中の映画『そして、バトンは渡された』を視聴しました。本作は、2019年に本屋大賞を受賞した瀬尾まいこさんの同名ベストセラー小説を実写映画化した作品です。
公開当時から「とにかく泣ける」「結末を知るともう一度見たくなる」と大きな話題を呼んでいましたが、実際に視聴してみて、その評判に偽りなしだと確信しました。張り巡らされた伏線が見事に回収される後半は、涙が止まりません。
今回は、本作のあらすじや、映画だからこそ描けた魅力、そして作品が持つ深いテーマについて、ネタバレを交えながら徹底的に感想・考察ブログとしてまとめました。
映画『そして、バトンは渡された』のあらすじと登場人物
本作は、全く異なる「2つの家族」の物語が並行して進む、一風変わった構成をしています。
① 優子と森宮さんの物語
主人公の森宮優子(永野芽郁)は、高校卒業を控えた女の子。彼女には、血の繋がらない父親・森宮さん(田中圭)がいます。優子はこれまでに4回も苗字が変わり、親が何人も変わるという複雑な生い立ちを持っています。
しかし、現在の父親である森宮さんは非常に子煩悩で、毎日のようにおいしい料理を作り、優子を深い愛情で包み込んでいます。優子は、卒業式で弾くピアノの伴奏を猛特訓しながら、同級生の早瀬くん(水上恒司)への淡い恋心を抱くなど、一見すると普通の温かい家庭で育っているように見えます。
② 梨花とみぃたんの物語
もう一方の物語は、シングルファザーの水戸さん(大森南朋)と暮らす泣き虫な女の子・みぃたん(稲垣来泉)と、彼女の前に現れた美しい女性・梨花(石原さとみ)の物語です。
梨花は水戸さんと結婚し、みぃたんの母親になりますが、水戸さんのブラジル移住を機に離婚。みぃたんのために日本に残り、その後も資産家の泉ヶ原さん(市村正親)など、夫を次々と変えながら自由奔放に生きていきます。しかしある日、梨花はみぃたんの前から突然姿を消してしまうのです。
【ここが凄い】映画を彩る3つの魅力と見どころ
1. キャスト陣の圧倒的な演技力とハマり役
本作の成功の大きな要因は、何と言ってもキャスト陣の素晴らしい演技にあります。
永野芽郁さんは、複雑な境遇にありながらも、決してひねくれず、周囲に気を遣っていつも笑顔を絶やさない優子を健気に演じきっています。彼女の「泣き」の演技は、観る者の胸を強く締め付けます。
そして、父親役の田中圭さん。血が繋がっていないからこそ、過保護なまでに優子を愛し、彼女の幸せだけを願う「理想の父親」をコミカルかつ温かく演じており、彼の存在が作品全体の救いとなっています。
さらに、初の母親役に挑んだ石原さとみさん。奔放で魔性の女に見える梨花ですが、その一挙手一投足に隠された「娘への狂おしいほどの愛」を、後半に向けて見事に表現しています。
2. 2つの物語が交錯する「美しい伏線回収」
映画の前半は、優子の物語とみぃたんの物語が交互に描かれます。「この2つの家族は、一体どういう関係なのだろう?」という疑問を抱きながら観進めることになります。
しかし、中盤から後半にかけて、その謎がジグソーパズルのピースがパチパチとはまっていくように明かされます。張り巡らされた伏線がすべて回収された瞬間、それまで観ていた景色の意味がガラリと変わり、すべての登場人物の行動の理由が分かったとき、驚きとともに強烈な感動が押し寄せます。
3. 劇中を優しく包み込む「ピアノ」の旋律
原作小説でも重要な要素である「ピアノ」ですが、映画では音と映像が加わることで、さらにその魅力が増しています。優子が弾く卒業式の合唱曲『旅立ちの日に』や、早瀬くんが奏でる美しいメロディは、言葉以上に登場人物たちの感情を雄べきに物語っています。音楽が人と人を繋ぐバトンになっている演出は、映画ならではの素晴らしいポイントです。
【ネタバレ考察】タイトルの「バトン」に込められた本当の意味
映画の終盤、衝撃の事実が明かされます。実は、過去の物語に見えた「みぃたん」の成長した姿こそが、現在の「優子」だったのです。つまり、2つの物語は異なる時間軸を走る、同一人物の物語でした。
では、石原さとみ演じる梨花が、なぜ何人も夫を変え、そして突然姿を消したのでしょうか。その理由は、梨花が「不治の病」を患っていたからでした。
梨花は、自分が長く生きられないことを知っていました。だからこそ、自分が死んだ後も、実の父親が海外に行ってしまい一人ぼっちになるみぃたん(優子)が、不自由なく、そして最高の環境で育ててもらえるように、必死で「次の親」を探していたのです。
- お金持ちの泉ヶ原さんと結婚したのは、優子に大好きなピアノを習わせてあげるため。
- 若くて誠実な森宮さんと結婚したのは、自分が亡くなった後も、優子に一生寄り添ってくれる優しい父親を残すため。
梨花がついていた「命をかけた嘘」。それは、優子に悲しい思いをさせないため、そして自分が病気であることを隠し、常に笑顔でバトンを繋ぐためのものでした。
タイトルの「バトンは渡された」とは、決して親たちに振り回された不幸な人生という意味ではありません。むしろ、「一人の少女を幸せにするために、親から親へと、命がけの深い愛情のバトンが繋がれていった」という意味だったのです。
血の繋がりがなくても、森宮さんも、梨花も、泉ヶ原さんも、水戸さんも、全員が優子を「自分の本当の娘」として命がけで愛していました。優子の「苗字が4回変わった」という経歴は、不幸の証ではなく、「人一倍多くの大人たちから、溢れんばかりの愛を受け取ってきた証」だったのです。これほどまでに温かい裏切りがあるでしょうか。
まとめ:アマプラで見逃せない!すべての人に観てほしい愛の物語
『そして、バトンは渡された』は、単なるお涙頂戴の映画ではありません。家族とは何か、人を愛するとはどういうことかを、優しく、そして力強く教えてくれる傑作です。
血の繋がりを超えた家族の絆に、心がじんわりと温かくなり、観終わった後は、自分の大切な人に「ありがとう」と伝えたくなる、そんな魔法のような映画でした。
Amazon Prime Videoでいつでも視聴できますので、まだ観ていない方はもちろん、結末を知った上でもう一度最初から観直す「2回目視聴」も強くおすすめします。伏線に気づいて、今度は最初から涙が出てしまいます!
ぜひ、ハンカチを多めに用意して、この温かい愛のバトンを受け取ってみてください。
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